航空宇宙産業において粒度分析とレオロジーは、安全性試験からエンジン設計および推進力試験に至るまで、多岐にわたって利用されています。
航空機着氷の研究
近年、航空機着氷に関する研究が盛んに行われています。航空機開発の一環として、凍結条件で航空機の翼に付着する氷の挙動を調査することが必要です。翼用除氷装置の性能は、Malvern の Spraytec 液滴サイズ測定システムを使って調べることができます。飛行中の補助翼の動作が大惨事を招く危険もあるため、翼に形成された氷の突起による翼の構成部品の動きを防止しなくてはなりません。Spraytec は航空機の翼断面を配置する風洞のどちら側にも設置が可能です。ハンガーの下流側にも設置できます。
広い動作範囲を誇る Spraytec は、この種の応用に理想的です。Spraytec システムの使用により、湿度や温度の変化が氷晶サイズに与える影響をすばやく観察できます。また、この液滴サイズ測定装置にはエア パージ システムが備わっており、光学系の曇りを防止します。
マルバーンのレオメーターは、せん断速度や温度条件を変化させて離陸時および着陸時に除氷液が流動する様子をシュミレーションするために使用されています。弊社のレオメーターの多くは、除氷剤が効果を失う可能性があるせん断条件を直接シミュレートできます。これにより、こうした厳しい条件においても性能を発揮できるような除氷剤を製造することが可能になります。
ジェットエンジン
燃料噴霧の液滴サイズは燃焼速度および燃焼効率を左右するため、エンジン性能に対して直接的な影響力を持っています。 マルバーンのSpraytecシステムは、ジェットエンジンの燃料噴射系を調べる研究に応用されています。燃料噴霧は極めて高速かつ高濃度です。従来のレーザー回折法では粒子のすばやい動きに対応できません。高濃度の噴霧が引き起こす多重散乱によって粒径は予測より小さく測定され、不正確な分布データが報告されることになります。Spraytec では最大 2500Hz の高速測定が可能です。さらに多重散乱補正の適用により、正確な測定を実現しています。
また、燃料噴射の際に燃料に対するせん断速度が非常に大きくなるため、適切な噴霧の分散は最適なパフォーマンスに欠かせません。マルバーンのレオメーターではこうした高せん断速度条件をシミュレートし、燃料噴射装置の性能を判断することができます。
金属粉末
ロケット推進に使用する金属粉末や、機体部品に使用するチタン、オイル濾過抽出における焼結金属フィルタに使用する青銅などの合金の粒度分布は、マルバーンのMastersizer 2000 を使えば簡単に測定できます。金属粉末の噴霧化工程にはマルバーンの Insitec システムで対応できます。スペースシャトルの推進剤に使用するアルミニウム粉末などのナノ サイズの金属粉末の粒径は、マルバーンのZetasizer Nano S による測定が可能です。
マルバーンのレオメーターによるレオロジー特性の評価は、粒子の分散状態が良好であるかどうかの判定や、成形品の適切な生強度の達成にも役立ちます。 |