絶対分子量の測定
絶対分子量は、特定の溶液状態や製剤用のタンパク質のオリゴマー状態を判定するのに役立ちます。絶対分子量の特定方法には次のようなものがあります。
- マススペクトロメトリー(MS)
- 浸透圧測定法(オスモメトリー)
- 超遠心分析法(AUC)
- クロマトグラフィー
- 光散乱法
これらの技法の中には、溶液特性のテストに利用できるとは限らないもの、大量のサンプルが必要なもの、測定に数時間から数日間もかかるものもあります。タンパク質の場合、絶対分子量は、クロマトグラフィーのようなレファレンス法によって測定されることがほとんどです。クロマトグラフィーでは、ピークの溶離時間が同じカラムの標準の溶離と比較されます。
光散乱法では、レファレンスは必要ありません。サンプルの濃度と屈折率の増分が分かっている場合、散乱した光の絶対量(強度)から、絶対分子量(モル質量)と第二ビリアル係数A2が特定できます。これが「絶対」と呼ばれる理由は、(ネイティブゲルやHPLC実行のような)他の測定技法と比較すると、サンプルやその動きについてそれ以上の仮定が必要ではないからです。
プレゼンテーション:
絶対分子量測定に関するオンデマンドプレゼンテーション 静的光散乱法は、角度と濃度の関数である平均散乱強度を研究する方法です。小さな散乱粒子の場合、散乱強度を異なるサンプル濃度で記録し、Debyeプロットを行うことにより、絶対分子量(MW)と第二ビリアル係数(A2)を取得することができます。インターフェロンガンマ、ウシ血清アルブミン(BSA)、卵白アルブミン、リソチームなどの一般的なタンパク質の絶対分子量は、マススペクトロメトリーの予想される結果と一致します。分子と溶剤の間の相互作用の強度を示すパラメータである第二ビリアル係数からも、さらなる情報が導き出されます。
分子量に関する60秒オンデマンドプレゼンテーション 未知のタンパク質の分子量は、動的光散乱測定(DLS)によってすばやく測定できます。様々なタンパク質では、経験に基づいた分子量と質量の関係が一致を示す傾向にあります。インスリンの例はこの関係の利用法を示しています。モノマーとより高いオリゴマー状態の間に平衡が存在する場合、この方法はこれらの比率の手早い推定方法として使用できます。また、他のタンパク質についても述べられています。
Zetasizer Nanoシステムを用いた絶対分子量測定に関するアプリケーションノート タンパク質などの小さな「粒子」は光を等方的に散乱し、その散乱パターンは角度依存を示しません。したがって、特定のタンパク質溶液の中の散乱分子の絶対分子量(MW)と第二ビリアル係数は、Zetasizer Nanoで使われる単一の角度における静的光散乱法(SLS)を利用することにより、特定できます。この理論の概要、実験のセットアップ、10~70 kDaの範囲のさまざまなタンパク質(BSA、リボヌクレアーゼ、リソチーム、卵白アルブミン、抗体フラグメント)に対する結果についての議論が記載されています。排除クロマトグラフィー(SEC9)との比較も説明されています。
ポリマーと多糖類の絶対分子量判定に関するアプリケーションノート 静的光散乱法(SLS)は、溶液内の高分子の特性判定に使用される非侵襲性の技法です。SLSは、散乱光強度の時間平均を使用します。ここから重量平均分子量と第二ビリアル係数が求められます。2種類のポリマー(980 Da、9.9 kDaと96 kDa)と1種類の多糖類(68 kDa)の単一角度Debyeプロットは、測定値と期待値の間のよい一致を示しています。多糖類では、動的光散乱法から得たz-平均半径を分子量の予測に利用することができ、その値は期待値にかなり近いことが分かります。



