ブレーンセメント計算法を利用することにより、Ashgrove Cementは粒子径コントロールを厳格にし、セメント品質を保証することができました。
セメント業界のソリューション

このページは:ホーム産業分野建築・道路建設セメント課題強度リアルタイム

リアルタイム粒度分布測定を利用したセメントプロセス最適化

Ash Grove Cement(ユタ州リーミントンのプラント)では、Insitecは最終製品のサイズ測定に使用されています。同社は、簡単にアクセスでき、設置と定期メンテナンスが容易になるよう、Insitec装置を粉砕回路の製品出口に置いています。分離器フィードと不合格材料は装置の真上に位置しているため、今後Insitecは材料循環量の決定に使用される可能性があります。装置~PC間の通信には、装置からコントロール棟まで1インチのコンジットケーブルを400フィート敷設しました。装置は1998年11月に稼働開始したものだったため、トラブルフリーで100%の稼働時間の実績を保っていました。生産部門からの承認を得るために膨大なデータを検討しました。1999年6月、装置はセパレータ速度を調整してセメント粒度を制御する自動PIDループに組み込まれました。

新しい強度指標

初期強度がセメント化学的要素と粒度に依存することはよく知られています。それに基づいて、多変数回帰分析を行い、粒子径の変数と化学分析の関係をグラフ化して1日の強度を予測しました。一般に、セメントに関する文献では、1日の強度は測定されたブレーン値とクリンカー組成化合物(SiO2)を使用して余禄できるとしています。SiO2は、C3SおよびC2Sという2つのセメント構成要素の主要構成要素です。この相関関係の標準エラーはわずかです(R2 = 0.59)が、粒子強度のみを利用した関係(R2 = 0.38)と比較すると大きく改善されています。また、ラボの分析では第二酸化物SiO2、Al2O3、Fe2O3、CaO、SO3を測定し、「真」の強度要因であるC3S、C2S、C3A、C4AFを測定してはいませんでした。生産におけるセメント要素の組成はBogue式[3]を用いて推定されますが、ここでは実際の生産で常時可能かどうかが不明なキルン炉の加熱・冷却条件を想定しています。弊社のモデルは完全ではありませんが、粒度、化学的指数 (SiO2)、1日強度の関係を説明する簡単なツールとして利用できます。 その簡易さと現在の限界にも拘らず、この荒削りな相関関係は、化学組成と粒度の効果を加味しているため、同プラントは製品の初期強度の予測を改善できました。製品の化学組成の変化は粒度によって補うことができ、粉砕プロセスの最適化を可能にします。

従来のブレーンセメント測定法を使用した初期強度の測定値と予測強度の関係

図1: 従来のブレーンセメント測定法を使用した初期強度の測定値と予測強度(ブレーン/化学要因)の関係

この関係モデルの信頼性を確認するために、Insitecによる測定値がすでに存在するデータのサブセットを適用してみました。図2は、2つの異なる期間(1998年9月~10月と1999年6月)における44日間の生産のデータセットに、このモデルを適用した結果を示しています。関係係数はR2 = 0.69、標準エラーは107 psiで、これは強度測定の不確定(75 psi)に類似しています。関係モデルはラボデータのみに依存するものですが、オンラインのInsitecデータでも満足できる結果を得ることができました。今後さらに多くのInsitecデータを得ることにより、この関係モデルはさらに確認され、信頼のレベルが高くなることでしょう。

Insitecのブレーンセメント測定法を使用した初期強度の測定値と予測強度の関係
図2: 従来のブレーンセメント測定法を使用した初期強度の測定値と予測強度(ブレーン/化学要因)の関係

では、この新しいオンライン粒度分布測定の情報が、どのようにして生産性と利益の改善につながるのでしょうか。リアルタイムのフィードバック制御により、最終製品の一貫性が改善できます。粉砕プロセスがより良くコントロールできるため、製品の粉砕を仕様に近づけることが可能となり、それによって処理量の向上と生産コストの低減を実現します。タイプ1のセメントを14日間製造したあるお客様を例にとってみましょう。平均1日強度は2280psiで、 ASTM仕様を480psi超えていました。前述のモデル(図1を参照)を使用し、仕様の1日強度(および安全マージン)を算出できるターゲットのブレーン値を定義しました。保守的なマージンは、精度モデルの標準エラーの3倍となります。これを統計的に見ると、1%未満が不合格品となります。現在の再利用率は約5%であるため、このマージンにより再利用率が5分の1に低減されることになります。図3を見ると、3-シグマは1日強度= 1800+3*107=2121 psi(月平均を159 psi下回る)をターゲットとしています。わずかでもこの関係モデルの標準エラーを強度に関して改良すれば、更なる向上が可能になります。

オフラインブレーンセメント測定とオンラインInsitec SSA測定の間の相関関係
図3: オフラインブレーン測定とオンラインInsitec SSA測定の間の相関関係

1日強度予測モデルから、無次元相関関係は次のように定義できます。


S/S0 = A*B/B0 + D*C/C0 + F ...........方程式 (1)

ここで、
S = 1日強度(psi)。下付き文字は2000 psiを参照値とする。
B = ブレーン値 (cm2/g)。下付き文字は4000 cm2/gを参照値とする。
C = 化学パラメータ(SiO2)。下付き文字は21%を参照値とする。
A = 粉末度係数 = 1.18
D = 化学係数 = -2.92
F = 定数 = 2.88

12日間の製造作業におけるInsitec SSAと従来型ブレーンセメント測定値の比較
図4: 12日間の製造作業におけるInsitec SSAと従来型ブレーン測定値の比較

さらに、製品処理量と1日強度の関係を示す相関関係を特定しました(図4)。


P/P0 = -0.83 B/B0 + 1.83 ................方程式 (2)

ここで、
P = 生産率(トン/時)。下付き文字は100トン/時を参照値とする。
方程式1と 2 を利用することにより、ブレーン値を削除し、dP*/dS* = -0.7を示すことができます。

これにより平均強度が159 psiすなわちdS* = -8% だけ低下され、生産性が5.6% (5.4 トン/時)向上します。これは、1999年6月の14日間で1800トンの生産を失ったことに匹敵し、$70/トンの価格では同期に12.6万ドルの収益を失ったことになります。

上述の例では、生産が最大稼働状態で、市場が生産の増加分を消化できると想定しています。生産が最大稼働状態でない場合に、粉砕コストの低減のみをとってみても大きな節約ができると言えます。Peray [4]から、理論上では粉砕による節約は100 cm2/gの粒度低下につき約3 %であることが分かります。今回測定した相関関係では、100 cm2/g粒度低下につき約2%で、理論にやや匹敵する数値となっています。

結論

AshGroveのLeamington向けに、Insitec ブレーン値と従来型の空気透過性ブレーン測定の関係を調べました。粒度と化学組成 (ブレーン値とSiO2)を利用して、初期強度(1日強度)予想モデルを作成しました。同モデルの標準エラーは、強度測定の予想エラーにやや匹敵しています。この関係モデルは、プロセス処理量を5%上げると同時に、強度要件を満たすことができることを示しています。
1999年、Leamingtonプラントではセメント生産の記録を樹立し、それをInsitecは支えました。厳しい粒子径条件の下、Ashgrove Cementは品質を保証することができました。その記録は、1998年の3870 cm2/gmから 1999年の3770 cm2/gmへと向上しました。