金属粉産業別の課題
背景
- ヨーロッパのパウダーメタル市場の取引高は年間60億ユーロ超
- 北米のパウダーメタル部品・製品産業の売上高は推定50億ドル
- 世界における年間のパウダーメタル製造は100万トン超
- 新型の民間航空機のエンジンは、1台につき680~200 kgのパウダーメタルを使用
金属粉
金属粉は、食品加工の栄養補助食品、塗料やその他のコーティングへの添加物、印刷やパッケージング、固体燃料やセメント中の顔料を含む多様なアプリケーションに使用されています。中でも主要な分野は、様々な最終用途におけるコスト効果が高いメタル部品の製造だと言えます。
粉末冶金
粉末冶金 (PM) は、鉄メタルおよび非鉄メタル部品の信頼性が高く確立した製造方法です。そのプロセスでは、パウダーを混合し、金型内で圧縮して形状を整え、焼結または加熱して粒子を冶金学的に結合します。プロセス開始時の材料の97%以上が最終製品となるため、粉末冶金法はエネルギーと材料の両方を節約するプロセスです。これは、1時間に数百パーツから数千パーツという製造レートで、最終形状またはそれに近い形での単一パーツまたは複合パーツの生産に使用されるコスト効果が高いプロセスです。
近代初の粉末冶金製品は、1900年代前半に開発された電球のタングステンフィラメントでした。今日、粉末冶金産業は国際化が進み、すべての工業国で成長を続けています。鉄・銅ベースのパウダーを使用した従来型のパウダー金属部品から、超合金、多孔製品、摩擦材料、磁力パウダーコアとフェライト、炭化タングステン切断ツールと消耗部品を含む特殊製品まで、様々な企業で様々な製品を製造しています。
過去数十年間における粉末冶金産業の成長の大きな要因は、鋳造や鍛造など他の金属加工方法と比較すると形状プロセスにかかる費用が安いことです。型取り後または精製後の部品をパウダーメタルに転換すると、40%以上のコスト節約ができる場合もあります。
粉末冶金法は、次に挙げる各部品の製造に使用されます。
- 自動車産業 - モーター、ギアアセンブリ、ブレーキパッド
- 磨耗部品 - 車輪の表面仕上とグラインディング
- 製造 - ツールの切断と穴あけ
- 電気・磁力デバイス - 磁石、ソフト磁気コア、電池
- 医学と歯科学 - プロテーゼ、アマルガム
- 航空宇宙 - モーター、熱シールド、構造部品
- 溶接 - 接合、電極
- エネルギー - 電極、燃料セル
- 研磨 - 車輪の表面仕上
- その他 - 多孔フィルター、ベアリング、スポーツ製品など
同産業と粉末冶金法の詳細については、次のMetal Powder Industries Federation(米国粉末冶金工業会)のウェブサイトをご参照してください。www.mpif.org
原材料
一般にパウダーの形状で使用される金属には、鉄、スチール錫、ニッケル、銅、アルミニウム、チタンなどがあります。難溶性金属には、タングステン、モリブデン、タンタルなどがあります。また、青銅、真鍮、ステンレススチール、ニッケルコバルト合金も使用されます。
パウダーは粒子径が0.1~1000ミクロンで、コントロールには細心の注意が必要です。主要な製造技法には、溶解金属の噴霧化、酸化物の減少、電気分解、化学的減少などがあります。粒度分布は重要なパラメータです。粒度分布範囲が狭いパウダーは、混合と金型注入の間は予測通りの動きを見せ、加熱・冷却圧縮と焼結ではさらに高いパフォーマンスを示します。またスプレーアプリケーションで均一のコーティングを実行し、最終製品の品質を向上させます。
ここで重要なことは、フローを改善し、パウダーの凝固とダスティングを抑え、形成プロセスを容易にし、圧縮によって精製された部品のパフォーマンスを改善できる、添加物、結合剤、潤滑剤を用いた金属粉混合物を開発することです。この分野では、粒子と粒子混合体(パウダー)の特性が非常に重要です。
傾向
特殊アプリケーション用に新しく導入されてきたサブミクロンやナノサイズの粒子に加え、現在では次に挙げる努力が見られます。
- 学術界と産業界における製造プロセス改良を目指す研究への投資
- 強度プロパティと品質を備えた完全高密度のパウダーメタル製品の製造
- メタル注入金型(MIM)、急速凝固などのテクノロジーの商品化
- 自動車におけるパウダーメタル部品の使用度増加
出典: www.mpif.org
高度金属粉の需要に応えるためには、高度な仕様と次に挙げる要件が必要となります。
- さらに細かい微粒子、D v (50) < 10µm
- 制御可能および再現可能で範囲の狭い粒度分布
- 急速凝固処理(RSP) 特性
- 高純度 - 難溶性不純物や酸化不純物がない
金属粉の製造と使用
金属粉は、ガス噴霧化またはグラインディングによって精製され、精度の高い粒度分布を得るために回転式分級機またはサイクロンを使用して分級されます。最後に、金属粉は下記に挙げる様々な硬化プロセスを経て最終用途製品となります。
- 押し出し成形
- 金型注入
- 混合
- 圧縮
- 焼結

金属粉の主要特性には、粒度分布、粒子の形状、パウダーの構成、その表面の状態などがあります。これらの特性は、流動性、反応性、圧縮製、有孔性、硬化性などのバルク特性に影響を与え、これらは粒子が小さくなるほど改善されます。
粒度分布は、次に挙げるような多様な意味でエンドユーザにとって重要です。
- 最終製品の品質に対する直接の影響
- 注入の容易さと効率
- 粒度分布が広いと、粗粒子と粗粒子の間に微粒子が入り込む隙間ができる
- 有孔性 - 焼結プロセスでは微粒子が出ると小さな穴が閉じ易い
- 微粒子が多すぎるとフロー特性に悪影響を与える
- 硬化、環境汚染、自燃性
- プロパティの均衡を取るにはダイナミックなプロセスコントロールが必要
MalvernのInsitec粒度分布測定機は、次に挙げる主要分野のアプリケーションとして使用されています。


