粒子分級に関するホソカワミクロン株式会社へのIain Crosley氏にインタビュー:
パウダーは一般的に、組成、粒子径、形状、表面面積、電磁荷などを含むパラメータの分布で造られています。その最終用途に適合するように、製品の重要な特性にはコントロールや指定が必要です。これを行うためには均一性が高い粒子が必要で、エンジニアリング操作が必要な場合もあります。分布のより良いコントロールが実現できると、製品のプロパティと最終用途が大きく改善され、フロー特性や記録密度などが向上します。粒子プロセスの現在の傾向は、製品選択肢の増加、容量と生産高の向上、オートメーションの増加の方向を目指しています。
「分級」とは最初の粒子分布を分類し、設定されたパラメータに応じて希望の均一レベルを達成することをさします。パラメータの一例としては、密度、形状、サイズなどが上げられます。「分級」は「分離」とは異なります。「分離」とは一般的に、異なる材料を分けることを指しますが、「分級」は同じ材料を等級別に分けることを指します。
分級は事前プロセスの欠点をコントロールや制限するために使用します。この例としては、粉砕機やスプレードライヤーの出口で大きすぎる粒子を削減することなどが挙げられます。大きすぎる粒子が混入していると、コーティングの表面加工を不完全にしたり、電子コンポーネントを阻害したり、生態系中の活動や薬品に影響を与えるなど、最終製品が目的のアプリケーションで使用できなくなってしまう可能性があります。
分級技術
分級技術には多様なタイプがあり、主要装置の選択基準には次のようなものがあります。
装置オペレーション要件:
- 容量/処理量(kg/時)
- フィード材料と最終製品の品質(粒度分布(PSD)、形状)
- 生産高
- 選定性(カットの鋭さ)
- 材料の特性(摩耗性、破砕性、目の詰り具合)
プロセス要件:
- 分級機プロセスアップストリームのタイプ(例:湿式粉砕機、スプレードライヤー)
- 製品の最終用途(例:スラリー、ペレット、ドライパウダー)
- オートメーション/コントロール要件
- 仕様要件(GMP、認証、CIP/SIP)
分級機用語の定義:
分級機の効率: 分級後、微粉と粗粉の粒度分布がほぼ重なり合います。これは微粉にカットサイズよりも大きな粒子が混入し、粗粉にカットサイズよりも小さな粒子が混入しているという意味です。違うサイズの粒子の混入が少なければ少ないほど、カットが鋭くなります。
プロセスプラントでは、 カットの鋭さ が高いということは最高品質の微粉と最も経済的なプロセシングを意味します。これは、最終製品で大きすぎる粒子には厳しい制限が加えられているため微粉が大きく、粗粉にはわずかな微粒子しか混入していないため、失われる材料はわずかだということです。
処理量: 処理量はエア分級機を通した材料のマスフロー率で、カットの鋭さに大きな影響を与えます。通常カットの鋭さは、ある処理量まで一定に維持され、その後は連続して減少します。また処理量は、エアフローと分級機サイズにも依存していますが、これは高エアフローは多くの材料を運搬でき、大きな分級機は大きなエアフローを扱えるためです。
エネルギー要件: .フィードを完全に散乱させると、カットの鋭さによる分級が効率的にできます。非常に細かい分級(通常は微粒子をフィード)では、分級機はフィードを完全に散乱させるための十分なパワーが必要です。それにはより多くのエネルギーが必要です。指定のカットサイズと鋭さで指定の最終製品品質を得るためにエア分級機が必要とするエネルギー量は様々です。
分級テクノロジー
分級テクノロジーは、懸濁液を利用する方法(「湿式、通常は水を使用」)とキャリアガスを使って運搬する方法(「乾式」、通常は空気を使用)の2つの主要カテゴリに分かれます。
湿式
- ハイドロサイクロン
- 遠心機
- 湿式ダイナミック分級
- スクリーン/ふるい
- 沈殿
乾式
- ふるいかけ
- 固定分級機(サイクロン)
- 回転式分級機(単一段階、複数段階)
- クロスフロー分級機
- カウンターフロー分級機(水簸機)
分級機は、粉砕など他の装置オペレーションと組み合わせることができます。
マーケットの傾向
パウダーと粒子加工の開発を推し進める要因には次に挙げるような様々なものがあります。
- 粒子径縮小の必要性(特に、トナー、医薬品、ミネラルなどの分野)
- PSDの厳密化(分散の幅 - 微粒子と粗粒子の撤去)
- 生産高向上というプレッシャー
- よりエネルギー効率が高い装置のオペレーション
- 安定したオペレーション
- スタートアップ/シャットダウンを含む無駄の削減
- より高度な装置オペレーション制御
- より広いオペレーション領域
従来、微粒子径を達成するために湿式技法は欠かせないものでした。しかし今日では、流体エネルギーを利用した微粉化粉砕機などの乾式粒子プロセス技法が改善され、乾式工程での微粒子加工が可能になりました。実際、新規アプリケーションの多くでは湿式加工を除外したものも多くあります。その結果、新材料の大半は乾式工程で精製・使用されています。この方式は、湿式工程で材料を精製し、それを乾燥させる方式(凝集などの現象を招く)に取って代わりました。理由としては同じ工程で分級するほうがエネルギー効率が高いためです。
分級機のオペレーションは重要ですが、プロセスであまり考慮されていないことが多いです。最適な設定とリアルタイムモニタリングが実現できれば、大きな利益につながります。リアルタイムのセパレータ速度コントロール、切断効率の改善、生産高を引き上げるためのボトルネック除去などが最適化プロセスの目標です。次に挙げる課題は湿式・乾式装置のオペレーションに該当します。
- グラインディング装置への負担が処理量に影響
- 非最適オペレーションによって生産高にボトルネックが出現
- 同じフィードストックに多種グレードのパウダーが入っている場合は異なるプロセス設定ポイントが必要
- オペレータへの負担が高いプロセス手動コントロール
- バッチ間の統一が低い
マルバーンの粒度分布測定機には湿式アプリケーション用と乾式アプリケーション用があり、お客様のプロセス要件に応じてカスタマイズできます。分級プロセスにおける粒子径のリアルタイムモニタリングのソリューションをご覧になるには、ここをクリックしてください。
エア分級機の原理
エア分級機のオペレーションはエアフローに依存しています。現在の分級機は、水簸(すいひ)、自由渦、強制渦というエアフローの概念を単独または組み合わせて設計されています。
水簸とは、洗浄することによって分離するプロセスを指します。この場合は、空気を洗浄媒体として用います。通常、水簸では、バルクの微粒子や粗粒子をエアフローにフィードすることにより分離します。エアフローによって微粒子が浮き上がり、微粒子コレクタへと向かいます。粗粒子は浮き上がるには重過ぎるため、エアフロー中でも減速して重力に従って下に落ち、粗粒子コレクタに入ります。微粒子と粗粒子の分離点は、ケーシング内のエアフロー速度を増減することで調節します。水簸は原始的な分離方法であるため、単独で使用されることはあまりありません。しかし、渦手法の前分級段階に使用すると、その効果を大きく向上させることができます。
自由渦手法では、竜巻のように円形を描いて循環して減衰し、最後に出口へと進むエアフローを用います。粗粒子は周囲に飛び散り、粗粒子コレクタに集められます。微粒子は内側に引き寄せられ、エアフローと共に出口へと進みます。粒子径は、エアフローを調節し、ケーシングの寸法を変えることにより調整します。
自由渦技法は比較的低効率な分級方法です。それと比較すると、強制渦技法は、精度の高い粒子径コントロールを実現できる複雑な方法です。強制渦技法では、自由渦技法と同様にケーシングの外側の端から空気が引き込まれますが、回転翼を加えることでエアストリームとそこに巻き込まれた粒子の回転運動を「強制」します。このデザインでは、粗粒子は周囲に飛び散り、微粒子は回転翼の間を通り抜けて出口へと進みます。精度の調整はエアフローと回転翼の速度を調節することによって行います。この手法を使用すると、分級機の限度内において分離の調節は無限にできます。
これらの手法を組み合わせたシステムで、水簸を渦手法の前分級段階に使用すると、その効果を大きく向上させることができます。回転翼と出口はケーシングの上部にあります。エアフローは、下から出口に向けて流れ、材料の中を吹き抜けます。粗粒子は重力に従って下に落ち、ケーシングの底を通って排出されます。微粒子は回転翼部へと運ばれ、受け入れられた粒子は回転翼間を通って出口へと進み、拒否された粒子は外壁に沿って下に落ち、底を通って排出されます。第2の空気源(自由渦)が粗粒子に混じって落ちた微粒子から受け入れられるものを拾い集め、再び回転翼に通します。
渦・水簸デザインの高効率型変形の1つに、高エネルギー分散手法があります。この手法では、材料が渦に入る前に、回転翼の端の高速エアによって微粒子を粗粒子から分散させます。この場合、分離が確定する前に、微粒子が再び粗粒子に混り込むということはありません。このデザインは、プロセスの効率を大きく高めるだけではなく、分離の粒度と鋭度指数も高まります。通常、細かいミクロン単位で分離点を指定します。
分級のメリットを下記に挙げます。これらはすべてプロセスの経済性を高めるものです。
- グラインディング装置への負荷の軽減
- 効率の向上
- 1つのフィードストックから複数グレードのパウダーを精製する可能性
- 粒子径分布の幅が大きい場合でも1つのグライディング過程で分級する能力
新しい製品はパウダー加工市場の付加価値セグメントに分類される可能性を持ち、加工後パウダーの市場価値を高めます。
乾式プロセスでは、ふるい技法は能力の限界に達しました。ふるい技法では、5mm未満という粒子径が要求される新世代の機能性材料に用いる粒子径を精製することができません。しかし、安全スクリーンは現在もダウンストリームの最終グレードラインで稀に存在する大きな粒子を取り除くために使用したり、粗粒子レンジの複数段階分級に用いたりします。
サイクロン分級では十分な粒子径の精度が得られず(カットの鋭度が乏しい)、コントロールパラメータに限度があるため(多様な製品グレードの精製ができない)、これも主なカット手段としては使用されません。
分級機のタイプ
エア分級機には幾つかのタイプがあり、その機能範囲は粗大粒子から極微粒子まで多様です。水簸や遠心力、またはその両方を利用する装置があり、次のカテゴリで分類されます。
| テクノロジー |
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サイズの範囲 (µm)
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典型的なアプリケーション |
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利点 |
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難点 |
| 重力エア分級機 |
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>1000 |
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粉じんや汚染物質の除去
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可動パーツ無し |
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限定コントロール |
| サイクロン分級機 |
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20 - 300 |
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パウダーコーティング |
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固定サイクロンとの比較で見た高パフォーマンス
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カット鋭度の低パフォーマンス |
| スパイラル分級機 |
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3 - 80 |
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汚染のない加工
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柔軟性 |
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クリーニングが困難 |
高エネルギー分散分級機
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<5 |
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トナー用の微粒子除去 多様なポリマー |
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高アスペクト比材料 |
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エネルギー消費 |
| タービン分級機(単輪、複輪) |
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5 - 150 |
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ミネラル、薬剤、ポリマー、医薬品を含む汎用分級
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汎用分級の高パフォーマンスと高柔軟性 |
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洗浄点が問題 |
| 次世代分級機 |
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<5 |
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大容量汎用分級機 |
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カットポイントの改良とエネルギー消費量節減
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限られた実績を持ち、発展途中のテクノロジー |
エア分級機のパフォーマンス
数ミクロンというカットサイズを実現するエア分級機は、通常Stokesの法則に従っています。エア分級機のパフォーマンスを制限するパラメータを導き出し、装置の論理上のカットサイズを特定するには、Stokesのフロー領域で次の方程式が導出されます。
.(1)
ここで、 xt は理論上のカットサイズ、µ は空気粘度、 v はエアフロー速度、 ps は粒子密度、 g は重力加速を指します。
また、次の方程式も導出されます。
.(2)
ここで、 vr は輻射空気速度、 r は分離半径、 vp は粒子の接線速度を指します。
方程式(1)は、水簸に基づいて理論上のカットサイズを求めるものです。分級機のエアフロー速度 (v) の増減によってカットサイズを調整します。方程式(2)は、遠心力による自由渦および強制渦エアフローに基づく遠心カットサイズに基づいて理論上のカットサイズを求めるものです。
エア分級機のカットサイズと鋭度を評価するには、等級効率曲線を作成し、サイズ選択度(nD)と 粒子径(D)をプロットします。フィードと最終製品の粒子径分布を分析して関係を計算すると、フィード中の粒子径の何パーセントが粗粒子に属するかを特定できます。
サイズ選択度は次のように定義されます。

カットサイズ(x50)は等級効率曲線上でnD =0.5に相当する粒子径です。
カット鋭度は、等級効率曲線のnD =0.25のラインと nD =0.75のラインとの交差点を見つけ、その交差点における粒子径の相互関係を特定したものです。
カット鋭度(x25 /x75 )は、エア分級機のパフォーマンスを量的に見極めるためにしばしば使用されます。カット鋭度の値は、0.0(分級はほとんど無し)から、1.0(理想だが達成不能な分級)の間に位置します。生産現場におけるエア分級機のカット鋭度は、0.3 ~0.7の間に位置します。材料添加量が少ない場合は、0.9のカット鋭度も達成可能です。良質の分級機は、幅広い調整可能なレンジを持ち、非常に細かいカットサイズと高いカット鋭度が達成できます。分級機の等級効率曲線(極微粒子で0.0、粗粒子で1.0)のズレを検討することにより、分級の好ましくない症状(材料のロス、リサイクル、グラインディング、不良な分散、凝集塊、フィードスプリット、過添加)を特定できます。
注: x50 は同程度の蓋然性のあるカットサイズで、サイズ選択度0.5に相当する粒子径を指します。x25 はサイズ選択度0.25に相当する粒子径を指します。x75 はサイズ選択度0.75に相当する粒子径を指します。
参考文献
[1] "Particle size - an introduction", A.Rawle [2] "Sizing up air classifiers", L.Hixon, AIChE 1991 [3] "Air classifiers: How they work and how to select one", C.C.Huang, PBE March 1998 [4] "Review of air classifiers", H.Prem, AIChE 1990
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